こんにちは。ケイ (@kei_nomad) です。
海外に長期滞在するとなると、行く国に合わせて予防接種を受けることでもしもの時のリスクを低減することができます。
トラベラーズワクチンは非常に費用がかかるものの、それでも受けた方が結果的にコスパがいいので(後述)、ぜひ受けましょう。
この記事では、主にヨーロッパ方面に行く方向けにどの予防接種を受けるべきかとそのスケジュール、そして注意事項について説明します。
なぜ予防接種(ワクチン)が必要?
深刻な病気を防げる可能性が高い
もはや当たり前なので説明するまでもないのですが、念のため。
予防接種を受けるだけで、重大な病気や感染症を防ぐことができます。
当然完璧ではないですが、たいていの場合防げます。
そして、もしワクチンを打っていない場合にかかってしまう病気というのは、生死にかかわるものも多いです。
狂犬病などが有名ですが、これは発症してしまうと100%死にます。
そして、病気、特に感染症は自分の振る舞いで予防できるとは限りません。というか無理でしょう。
そうなると、まだ感染していないうちにあらかじめワクチンを打っておくことで、将来のリスクをかなり下げることができます。
仮にかかったとしても軽症で済む
ものによっては、完全に無症状というわけにはいかないらしいのですが、ワクチンを打っておくことで実際に病気になったとしても軽症で済むことも多いみたいです。
備えあれば憂い無しですね。
他者への感染予防に貢献できる
「集団免疫効果」という言葉があります。これは、多くの人が予防接種を受けることで免疫を獲得していると、集団の中に感染患者が出ても流行を阻止することができるというものです。
旅行者として予防接種を受ける場合、はたしてどこまで効果があるのかはわかりませんが、自分だけではなく周りの人も助けると考えると、アリだと思いませんか?
結果的に見れば、非常にコスパが良い
後で少し触れますが、予防接種、特に「トラベラーズワクチン」と呼ばれる旅行者向けのワクチンは保険が一切効かないので非常に高額です。
しかしながら、海外で病気になって病院で治療を受けると、冗談抜きで100万単位のお金が吹き飛ぶこともよくあります。
予防接種自体が高いといってもせいぜい1本数万円ですので、それで100万失うリスクを減らすことができると考えると、コスパがいいと思いませんか?
海外で病院にかかるのは非常に面倒くさい
何度もこのブログで取り上げていることですが、海外で病院にかかるとただの風邪であっても非常に手間がかかります。
言葉が通じない場合が殆どですし、仮に英語が通じるところがあったとしても、普通の病院より高額になることも多いです。
なにより、体調が悪い状態で異国の地で治療を行う……考えただけでも面倒くさい状況であると想像つくと思います。
注意事項
必要な予防接種は行き先によって異なる
主に先進国か発展途上国かで変わるのですが、これは先進国ではほぼ撲滅した感染症でも、発展途上国では未だにポピュラーということがよくあるからですね。
例えば、先ほど例に挙げた狂犬病は、日本だとほぼありません(というか、あればニュースになるくらいです)。
しかし、ヨーロッパだと東ヨーロッパを中心として未だに報告されています。
何を受けるべきかは、事前に自分で考え、それを元に予防接種を受ける病院の医師と相談しましょう。
予防接種のスケジュールに注意
予防接種は多くの場合、最低1ヶ月程度は必要となります。
というのは、1回だけ打てば済むというケースは少なく、大抵間隔を開けて2,3回打つ必要があるからです。
そして、どのワクチンがどのくらい間隔を開けないといけないのかはものによります。
そのため、必要なワクチンを漏らさず打つには、スケジュールをよく考える必要があります。
ちなみに、原則複数のワクチンを同日に受けても問題ありません。
生ワクチン等はダメらしいのですが……詳しくないのでそこら辺も含めてお医者さんと相談しましょう。
スケジュールの相談も含めて、予防接種が必要だとわかった時点で一度病院に連絡しましょう。
受ける前に母子手帳も確認すること
幼少期に実際にどんなワクチンを受けていたのか、ちゃんと確認しておきましょう。
自分の手元にない場合、親が持っている可能性が高いと思います。
もし紛失している場合、母子手帳を発行した自治体に問い合わせて、再発行してもらいましょう。
実際に必要なのは何が書いてあるかなので、予防接種を受ける時に手帳自体を持って行く必要はありません。
母子手帳に何か記載されているページを写真か何かに保存しておくだけでOKです。
ヨーロッパ方面(主に東ヨーロッパ)に行く筆者が受けた予防接種
A型・B型混合肝炎 (Twinrix)
定番ですね。Twinrix製のものだと、スケジュールを完了したら20年持つのでお得です。
ちなみにこれは筋肉注射でしたが、今回打った中で一番痛かった。
破傷風
これもまた定番ですね。破傷風は、切り傷擦り傷から入ってくる破傷風菌から起こる感染症です。最悪死にます。
大抵の人は幼少期に定期予防接種で受けているはずですが、20代後半ぐらいで効果がなくなるので、その年代以降の方は追加予防接種が必要になります。
追加で接種した場合、10年有効になります。
狂犬病 (VERORAB)
本来は1年程度かけて3回打つスケジュールですが、私は2回だけ打っています。
というのは、最低2回やっておけば、狂犬病が発覚したとき、曝露前にもう一度ワクチンを打てば問題無いからです。
ここらへんはWHOのガイドラインにそったやり方みたいですので、興味がある方はこちらに詳しい話が載っています(ちなみに、私は上記の通りVERORABという輸入ワクチンにしています)。
腸チフス
サルモネラの一種である腸チフスを防ぐワクチンです。
主に食物や水を介して感染しますが、こういうのって防ぎようがないので、打っておいて損はないです。
MR 麻疹・風疹
これも、幼少期に定期予防接種で受けているはずですが、追加で打てば1回だけで済む上(もし打ったことがない場合でも、2回で済みます)、効果は一生物です!
麻疹・風疹も非常に怖い病気ですし、とても手軽なので是非打っておきましょう。
ダニ脳炎 (FSME-IMMUN)
これは、東ヨーロッパで流行っているみたいですが、特にロシアのシベリア地域で見られるとのことです。
ダニはベッドで刺されることが多いと思いますが、寝ている間に咬まれると防ぎようがないですからね……。
ちなみにダニ脳炎になると、脳性麻痺とかの後遺症もあるみたいです。こわ。
ただ、東ヨーロッパに行かないならリスクはかなり低いので必要ないかも。
でも、ちゃんとお医者さんと確認してくださいね。
予防接種を受けた場所
横浜エムエムクリニックで受けました (横浜以外の方は、ここから最寄りの病院とそこで扱っているワクチンの種類を探すことができます)。
非常に親切で、とても時間をかけて相談に乗ってくれたのでおすすめです。
「予防接種を考えているけど、どのワクチンにすれば良いかわからない」という状況でも、電話で渡航先等を伝えて予約しておけば、行った日にスケジュールも含めて相談できます。
私が初めて行ったときは、1時間くらいかけて相談に乗ってくれました。
ちなみに、リンク先に各ワクチンの値段も乗っていますので、お財布とも相談できます。
記載されている価格は1本あたりなので、仮に2回打つ必要がある場合は2倍のお金が必要です。
……で、「超高い!!!!」って思っている方で、もしタイに行く予定があるならスネークファームとかで安く予防接種を受けることもできますが、予防接種だけに長期間タイに滞在するのはさすがに割に合わないので、そうでないなら色々なことを考えて日本で受けるのが一番良いと思います。
予防接種で気になること
めっちゃ高くない?
私が受けた時は、計11万円かかりました。
ちなみに、1年後に最後のワクチンを打つので、それも合わせると、15万円近くになります……。
本当にお金がない方は、最低限打つべきワクチンとか取捨選択することになりますが、個人的にはお財布が痛くてもここには金を出すべきだと思います。
注射が痛い
基本的に筋肉注射となるので、普通の皮下注射より痛いです。
しかも、1日ぐらい刺したところがじんじんします。
ただし、やり方によっては痛みを大分軽減できます。
注射をするときのちょっとしたコツ(痛みを減らす方法)
- 力を抜く
力は入れれば入れるほど痛くなります。筋肉注射ならなおさらです。
とは言っても、力、入っちゃいますよね。
おすすめは、刺す部位以外に力を入れて、そちらに集中を反らしましょう。 - 注射針を見ない
これ!!!超重要!!!!刺す瞬間はみない方が絶対痛みは少ないです。
なぜかはわかりません。
でも、マジです。 - 刺すときはゆっくり息を吐く
深呼吸のイメージですね。
たぶん、力が抜きやすくなるのかな?
まとめ
というわけで、予防接種もといトラベラーズワクチンについて説明しました。
めちゃくちゃ高い上に時間掛かるし、さらに痛いというちょっとマゾ?な感じがしますが、予防接種の良いところは、自分のタイミングで受けられることです。
病気や感染症にかかるのに良いタイミングなんてないですからね。
自分が想定した時期に想定したお金をかけて、想定通りの痛みで済むと考えると、予防接種も結構ありだと思いませんか?