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個人事業主(フリーランス)は国民年金を支払うべきか?お得な支払い方法は?

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こんにちは。ケイ (@kei_nomad) です。

国民年金払っても損するだけでしょ」とか、「国民年金は破綻するのでは?」とか思われてる方も多いと思います。
この記事では、国民年金は支払うべきなのか?そして得なのか?、そして支払うならどんな方法がお得なのかを説明します。

 

 

結論から言うと、個人事業主国民年金を払った方が得

すべての人に当てはまることなのですが、国民年金は支払っておいた方が圧倒的に得します。
下記では、その理由について5つ説明します。

国民年金の半分は税金。払わないと大損する

国民年金の財源の半分は税金です。
つまり、国民年金を払おうが払わまいが、どのみち国民年金に使われてしまうわけです。
そして、当然ながら国民年金が未納の人は受給資格がありません。
したがって、普通に働いていれば税金を払うことになるので、国民年金を事実上支払っているのに受給できない、という状況になります。
国民年金が信用ならない。自分で貯金した方がマシ」と考えていて年金を払っていないのに、事実上払っているとなると意味がないですよね?
この制度設計が良いか悪いかは別として、現実そうなっている以上、支払わないと損をするわけです。

節税できる(所得控除が大きい)

収めた国民年金は、その額をまるまる社会保険控除として使えます。
2021年現在だと、年間の支払額は20万円弱なので、年間の所得から20万円分控除できます。
年収によりますが、数万円税金が安くなることもありますので、結構でかい控除額です。

多くの場合、払った額よりも貰える額の方が多い

よく勘違いされていますが、現状、国民年金は「割の良い投資」です。
大体10年ぐらいで元が取れ、更に、死ぬまで支給される終身タイプの年金なので、長生きすればするほど投資効率は上がります。
特に後者は、それこそ「社会保障」という概念上極めて重要です。

障害年金がもらえる。なので、現役時代でも「もしも」に備えられる

下記の条件をいずれかを満たすだけ障害年金がもらえます。

  • 初診日のある月の前々月までの公的年金の加入期間の2/3以上の期間について、保険料が納付または免除されていること
  • 初診日において65歳未満であり、初診日のある月の前々月までの1年間に保険料の未納がないこと

特に後者はすばらしいです。
障害認定の1年前まで収めているだけで、年金がもらえますからね。
とはいっても、「よ~~~し!障害年金もらうために腕一本落とすゾ!」って人でない限り(そんな人さすがにいるとは思えませんが)、いつ障害者になるかなんてわからないと思うので、事実上はずっと払うことになりますけれどね。

余談: なぜ個人事業主にとって障害年金が極めて重要か?

働けない=収入ゼロとなる人が多いため、そのリスクヘッジになるからです(まあ、障害者になったら無慈悲に解雇されるサラリーマンもいそうですが、それでもサラリーマンよりリスクが高いです)。
障害年金も終身ですし、そもそも医療費やらなんやらで健康な人よりお金がかかるので、非常に、非常に優れた制度であると言えます。
もしかしたらあなたも仕事帰りにトラックに引かれる可能性だってあるわけです。
人生、ちゃんと備えててもどうしようもないときってあるんですよ。
そういうリスクを和らげられるので、とっても便利な制度なんです。

一定年齢に達すると終身で貰えるという制度設計

上記でも触れていますが、受給年齢になれば死ぬまで何もしなくても毎月お金が入ってきます。
年をとると、体も頭も動かなくなってくる一方で医療費もかさんでくるので、終身で一定額がもらえる制度というのは、特に長生きする方にとっては非常に大きな安心となります。

国民年金が破綻する可能性はほぼない

国民年金と健康保険は国家の根幹をなす制度です。
国民年金が支払われなくなるという状況は、たぶん日本が崩壊するときだと思います。
あと、言葉遊びになってしまいますが、現実「破綻」はさせずに制度が改悪されていく可能性の方が高いです。
年金の受給年齢を上げたり、受給額が減らされたり、現役時代の支払額が増えたりとかそんな感じですね。
マクロ経済スライドってやつです。
とはいえ、制度上、終身制が消えることはまずないので(でないと「年金って何?」って話になるので)、その点だけでも納付するメリットはあります。
むかつきますけれどね!

 

国民年金のデメリット

とはいえ、ご想像通り、国民年金も完璧ではありません。
下記では、制度上の弱点をご紹介します。

制度設計上、インフレに弱い

インフレに合わせて支給額が上がらない限り、事実上の支給額は下がることになります。
100円のものが120円する時代に、貰える額が100円のままだと買えなくなるとかそんな感じです。
とはいえ、インフレが進むと当然名目上の所得は増大するので、上記のマクロ経済スライドを適用して支給額も上がると思いますが……。

 

日本年金機構って信用できるの?

うーん……どうなんでしょうね……。
昔の社会保険庁の不祥事があってからは大分改善されたと言いますが。。。
個人的には、お役所的なローテクでアナログな管理がもっとマシになれば効率化も進むと思うのですが。
ただ、GPIFっていう年金を運用している団体の投資成績は結構良い感じみたいです。
多少の非効率さは、投資成績の良さでカバーできるのかもしれません。

支払額は年収に関わらず一定(一部例外あり)

これは現役時代の話ですが、年収がいくらあろうと年間の支払額は変わりません。
そのため、収入が低い人にとっては年収に占める支払額が大きくなってしまうので、不利になります。
しかし、ある一定以下の年収まで下がると、保険料の1/2免除、1/4免除、全額免除となりますので、気になる方はお住まいの役所で確認しましょう。
申請しない限り適用されませんので、お気を付けて(余談ですが、これすごい不親切ですよね!自動でやれば良いのに)。
ちなみに、免除を行うと将来の支給額が下がりますので、後ほどお金を稼げるようになったら追納しましょう。
(裏技的ですが、実は全額免除でも条件によっては将来少ないながらも支給されます。つまり、元手ゼロで年金が貰えるわけですね。しかし、これを行うということはつまり所得がずっとないわけでして、現役時代の生活が大変となるため、おすすめしません)

受給年齢が上がる可能性がある

今は65歳から受給可能ですが、そのうち70, 75歳と上がる可能性があります……。
こればっかりは誰にもわかりません……。

 

国民年金の支払い方法でお得なのは、2年前納・クレジットカード

国民年金は、2年前納にすると、支払額が少しだけ下がってお得になります。
現在は2年分として38万ぐらいなので、貯金があるかたは積極的に活用しましょう。
加えて、その支払いはクレジットカードが利用できます。
つまり、ポイント付きのクレジットカードで支払った場合、支払った額のポイントが貰えるということです。
仮にポイントが1%だとすると、3800ポイントもらえるわけですね。
どうせ支払わないといけないものだし、それなら少しでもお得な方法を選んだほうが合理的です。

 

国民年金の未納・猶予分はすぐに追納すべき?

過去に未納があったり、学生納付特例制度、若年者納付猶予制度を活用していたりして支払いを行っていない方は、そのままだと年金の受給額が下がってしまいます。
そして、その分は過去10年間分のみ後で追納することができます。
満額受け取るには基本的に追納をした方が良いのですが、いくつかのパターンではそうしない方が良いこともあります。

現在年収が高くて、すぐに節税したいなら追納する

追納した分は通常の国民年金の支払い同様に社会保険控除として扱われます。
そして、所得税累進課税になっていることから、年収が高ければ高い方が納める税額は高くなってしまいます。
したがって、もし「今年の税金結構高くなりそうだな」とわかったら、追納することで節税が可能です。
そして、一気にすべて追納する必要もないので、過去10年間の古い方から「好きな金額を追納する」といったこともできます。
所得が高ければ高いほど節税額は大きくなるので、年によって年収に差がある人、もしくは年収の伸びがシャープな人におすすめな方法です。

未納(猶予)が5年以下の場合、国民年金任意加入制度を検討する

現在の年金制度の納付期間は60歳までとなっていますが、未納分がある方向けに60~65歳まで任意で支払いを続けられる国民年金任意加入制度というものがあります。
この制度を利用することで、未納や猶予の期間が5年以下の場合は、支払いを60歳まで繰り越しても満額受け取ることが可能です。
ちなみに私はこれを選ぶつもりです。
私も、学生時代や留学していた時代など、収入がなかった時は猶予や免除を活用して生き延びていましたが、5年以下ですので、これでなんとかなります。
追納も、今しようと思えばできるのですが、急激な年収の急上昇は今のところないこと、もし商売がうまくいけば60歳のころにはもっと金銭的な余裕があるだろうということ、60歳になるまでに年金制度がどうなっているのか様子をみれることが理由です。
60歳になるころにはもっと支払う金額が上がっている可能性はあるのですが、将来により選択肢を残せるというメリットがあるので、このやり方を選んでいます。

未納(猶予)が5年以上の場合、5年より多い分を追納する

上記の制度を利用する場合でも、未納・猶予期間が5年以上ある場合は、とりあえず未納期間が5年となるように調整しましょう。
つまり、未納期間が7年間の場合、2年だけ支払う、といった感じです。
また、期間に余裕があるなら、1年分を1年ごと追納するといった形でも問題ありませんね。
ミソは、とにかく「未納分を5年以下にしておく」ということです。
そうしておくことで、国民年金任意加入制度で何とかなりますからね。

 

余談: 民間の個人年金保険は入るべきか?

たまに「国が信用できないから、国民年金に入らずに自分で年金に入る」という方がいます。
で、私のこれに対する答えは「NO」です。
理由は3つあります。

国民年金の方が圧倒的に利回りは良いし、低リスク

上記で説明したメリットを読めばわかりますが、国民年金は非常に割の良い投資といえます。
民間の場合、営利企業ですので手数料やらなんやらさっぴかれますし、そもそも倒産リスクがあります。
そして、倒産リスクは馬鹿にできません。
なぜなら、年金を受け取れるようになるのは民間のものでも60歳ぐらいですが、もしあなたが20歳だとすると、40年後です。
40年もあれば、今誰でも知っているような企業でも倒産する可能性はそれなりにあるからです。
当然、国にも「倒産」リスクはあるわけですが、一民間企業に比べればはるかに低いです。

 

個人年金の税制優遇は微々たるもの

年間2万円以下なら全額控除、そして最大12万円です。
そして、国民年金は年間20万近く所得控除されます。
プラスαで入るならわかりますが、少なくとも「国民年金を払わず個人年金に入る」というのがいかに損をする行動かわかると思います。

個人年金に加入するくらいなら投資をした方がいい

年金という制度自体、インフレリスクがありますし、正直その金額はつみたてNISAでひたすらインデックス系の投資信託ETFを買い続ける方が圧倒的に利回りはいいです。
上記で説明した個人年金で可能な節税額が屁に見えるほど優秀です。
年金のメリットというのは(基本的に)元本が保証されていることですが、受け取るのは数十年後ですし、株式市場は長期で見ると常に上昇してきたという実績があります。
つまり、ひたすら長期投資に徹すれば負ける可能性は非常に低いし、利回りも大きいわけです。
途中で狼藉売りをしてしまう不安がある人は、iDecoを使うという手もありますしね。
これは突っ込んだお金は60歳まで引き出しできないので、強制的に長期投資ができるという優れた代物です笑
とはいうもの、個人事業主の場合、サラリーマンより安定しないため、すぐに現金に換えられる資産を多めに持っておいた方がいいという事情もあります。
なので私は利用していませんが、税制的に非常に有利なので、そこら辺が気にならない方はiDecoおすすめです。
とりあえず、まず「個人年金」というのはあり得ません。

 

まとめ

というわけで、個人事業主向けの国民年金について語りました。
制度としてはよくできているので、正直支払わないのはもったいないです。
上記でも言っていますが、「得か損か」で言えば圧倒的に得です。
年金自体の利回りも当然ですが、社会保険控除という一見目に見えない節税額も考慮した場合、もっとお得ですからね。
また、投資先の一部として考えると国が保証したリスクヘッジ先とも言えますし、結構優秀です。
そしてなぜこんな記事を書いたのかというと、今は未納率が30%ぐらいなので、もっと減ったら良いなーと思ったからです。
当然ながら、未納率が上がれば上がるほど不利になりますからね。
以上、ご参考になれば。

また、下記ではこれに関連して投資とか貯金の記事も紹介しておきます。
良かったらご参考ください。

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