海外ノマドワーカーな日々

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あまり語られない社会人ワーホリ・留学のその後。就職やキャリアはどうなる??

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こんにちは。ケイ (@kei_nomad) です。

一回就職したけど、海外留学をしたい。で、ワーキングホリデー(ワーホリ)を利用した留学を考えているけど、帰国後が不安という方も多いと思います。
私もそうでした。
この記事では、私の経験から良いところも悪いところも包み隠さず、忖度なしで解説いたします。
一般的な「社会人でワーホリした人のその後はどうなる」という話ではないのですが、参考になれば幸いです。

 

 

社会人になってからのワーホリは価値があるのか?

結論から言うと、あります。
仕事を辞めて1~2年ブランク作ってまでやる価値があるのか、という疑問もありますが、個人的にはリスク以上に期待値が高いと考えます。
当然、後で「(自分の判断基準で)成功した or 失敗した」と判断することになりますが、「良い経験になる確率の方が高くなるし、その質も良い」という意味です。
というか、実際問題1,2年のブランクなんて大したリスクでもありませんしね。
これは何も生存者バイアスがあって言っているわけではなくて、世の中の9割の人間は(私含めて)1,2年抜けたところでキャリアに大きく傷がつくような仕事をしていないからです。
ものすごく最先端の仕事をしていて、常に勉強が必要な職場だったり、自分が会社の役員とか社長とかしていない限り、いくらでもリカバーできます。
それに比べて、海外で生活する1~2年は非常に濃密で学ぶことが多いです。
そこで学んだ経験は場合によっては一生役に立つかもしれません。
したがって、時間投資効率が良いわけです(どんな考えでどう過ごすかによりますけれどね)。

 

私のワーホリ前後から今に至る流れ

そして、「お前はどうだったんだよ?」という疑問が出る方もいると思いますので、ちょっと恥ずかしいのですが(笑)、私の卒業以後の流れを簡単に説明します。

大学卒業後は地元で就職

浪人留年なしで卒業できたので、このとき22歳ですね。
まだリーマンショック後の不景気の中でしたので、割とするっと就職が決まったのは良かったです。
でも、当時は何もしたいこととか無かったので、通ったところに行った感じでした。

半年で退職

仕事を始めてから、自分が一ミリも興味のないことはまったく仕事にならないことが判明。
気付くのが遅いですね。
いや~~~~~~、これ、個人的にはかなり恥ずかしいと思っていたことでしたので、あまり人にも言ってませんでした。
新卒カードを半年でドブに捨てたわけです。
ここら辺の話は語り出すと長くなるのでこの辺にしておきますが、今でも「これまでの一番の挫折ポイントはどこか」と聞かれたら間違いなくここですね。

半年フリーター

仕事を辞めた直後は、「俺は大学院に行って、そのうち何年かは海外の大学で勉強するんや!」と言っていました。
でも、「よくよく考えると、俺そこまで院に行きたいわけじゃないな……」と気がつきました。
大学での勉強は好きでしたが、文系修士・博士って仕事ないですしね……。
精神的にもいろいろ参ってたというのもあります。
親からの視線も痛かったので(笑)、とりあえずフリーターとして再始動しました。
前職でフォークリフトの免許をとっていたので、いわゆる軽作業という名の体力仕事をやっていました。
外仕事でしたので、雪の降る中、朝6時に現場に到着した後、ツンとした空気を吸いながらフォークリフトに積もった雪を振り落とすのが最初の業務でした。
仕事を教えてくれた元解体屋のおっちゃん、今でも元気にしてるかな?
あと、現場の工場長さん、工場の壁思いっきりへこましてごめん。
……話を戻すと、この時、大学時代、周りに留学した人だったり留学生が何人かいたりして、「俺も留学したいなー」って思っていたことを思い出して、「俺は単に海外で生活したいのではないか?それなら何年も大学院に行く必要はないのでは?」と気がつきました。
ここらへんで「(語学)留学をしよう」と切り替えました。

出国まで

上記を決めたのは、仕事辞めてから多分1ヶ月以内の話だったと思います。
そして、英語の勉強を開始したのも実はこの辺りからです。
恥ずかしながら、私英語めっちゃ苦手でした。
何なら、高校英語は赤点でしたからね。
この状態で留学しようなんて考えたのは、今から考えたら狂気の沙汰としか言えません。
とはいえ、「大学卒業後半年で仕事を辞めて、さらにワーホリに行こうとしている」という事実だけ見ると、(世間的には)かなりやばかったのも十分に理解していたので、もう必死で勉強しました。
多分人生で一番がんばったと思う。
お尻に火が付いた状態でしたね。

オーストラリアに1年留学(ワーホリ期)

行き先をオーストラリアに決めたのは、3つ理由があります。

移民国家だから

大都市に限っての話ですけれどね。
世界中から色んな人が集まって、いろいろ問題があっても何とかやっているという状況に興味がわいたからです。
日本人同士でも問題あるのに、どうやってコミュニケーション取ってるんだ??という純粋な好奇心です。

ビザがおりやすい

国によっては、毎年のワーキングホリデービザの発行数が決まっていたり、いろいろ面倒臭かったりするのですが、オーストラリアは本当に楽です。
ネットで申請したら1週間ぐらいですぐに降りました。

ワーホリができる国で一番金を稼げるから

すごく現実的な理由ですね(笑)
とはいえ、当時の自分の貯金だけで留学生活をすべてまかなう予定でしたし、「海外で働いてみたい」という思いがあったので、「それなら一番賃金が良い国が良いな」と考えました。
実際、現地で働いているときの給料は高かったです。
時給AUD22ぐらいで、当時のレートが90円ぐらいだったので、約2000円でしょうか。
残業すると1.5倍でしたので、3000円ぐらいです。
今はもっと高くなっているはずです。
やってたことというのも、レストランでひたすら皿を洗うだけでしたし(笑)、大したことはしていません。
1年やってたら多分年収400万円ぐらいになってたので、日本といかに物価が違うかを痛感しましたね。
だって、皿洗いで年収400万円ですよ?
でも、現地人が「こんな給料じゃやってられねーよ」って愚痴っててたので調べたら、都市部のまともな仕事なら600万から800万ぐらいもらえるみたいです。
そして、そこで貯めたお金は後に語学学校の授業料に使ったわけですが、それでも帰国時の手持ち金は出国時とほぼ同じでした。

オーストラリアでの生活

オーストラリアにいるうちは、半年働く+半年語学学校で勉強する、といった感じでした。
オーストラリアに行く前に、英語の目標としてケンブリッジ英語力検定試験(Cambridge Examination)でFCEというレベルの取得を目指していたので、出国前に受けて帰りました。
でも、結果は不合格でした。
これも当時はめちゃくちゃへこみました。
結構頑張ってたのですが、2点だけ足りずの不合格でしたからね。
人生で二番目に辛かったポイントはここでした。
とはいえ、すごく悔しかったので、以後は一層英語の勉強に力を入れることになりました。
たぶん留学中よりも勉強してたと思います。
今でこそ翻訳したり営業かけたりするぐらいには英語が上達しましたが、たぶんこれがあったからですね。

帰国後は就職活動に半年かかる

さて、かくして帰国後は「新卒を半年で辞め、半年フリーターをして、あまつさえ1年海外でふらふらし、英語の検定もまともに取れなかった男」が誕生したわけです。
当然、就職活動が苦労するのはおわかりですね!(笑)
転職サイトに登録して、「第二新卒扱い」で就職活動をスタートしました。
とはいえ、何も資格がないのはアレなので、TOEICは受けました。
確か700点ぐらいだったと思います。
高校時代のレベルからすれば「がんばった」と言えるのですが、世間的にはどうなんでしょうね……。
なので、とりあえず転職エージェントに何社か登録して、書類選考に応募するわけですが、これがまた落ちる落ちる(笑)
たぶん冗談抜きで100社ぐらい応募した記憶があります。
しかし、「私と会ってみたい」という珍妙摩訶不思議な会社が5~10社ぐらいあり、最終的には2社から内定をもらえました。
メーカーと専門商社でした。ありがたいことです。
専門商社の方の最終面接の時に、「なんで半年で辞めたの?もっと続けた方が良かったんじゃないの?」って聞かれて、「仰るとおりです。めっちゃ反省してます」と正直に言ったら笑ってもらえたのを覚えています。
結局、メーカーの方を選びましたが。

メーカーの海外営業として首都圏で就職

寄らば大樹の陰、「大企業の子会社だった」という理由でメーカーに就職。
これまた安直ですね。
ただ、当時は「サラリーマンとして生き延びれるようになりたい」と自尊心が地獄の底並みに低かったので、「すこしでもデカいところにいた方が生存確率上がるのでは?」という考えでこちらに決めました。
とはいえ、扱っている商材はおもしろかったですし、会社の人は皆親切でしたので、すごく働きやすかったです。
私と同じぐらい変な人がたくさんいたのも良かったです。
今でもたまに飲みに誘ってもらえるので、本当にうれしい限りですね(ちょうど今はコロナがあるのでできませんが)!
営業で採用されたのにも関わらず、部内で使用してた色んなエクセルの計算書とかをVBAも駆使しながらいじくり回して、業務効率化してた時間の方が長かったです。謎。
3時間ぐらいかかってた作業を15分に短縮したら、会社から1500円もらえました。

副業で翻訳を始める

働き始めて1年ぐらい経ったときに、会社が吸収合併されまして、残念ながらいろいろかなり変わってしました。
そして、「自分の力じゃ本当にどうしようもないことってあるんだなぁ」と諸行無常な気分になりまして、「そういう状況は極力減らしたい」と思ったので、将来の独立を目指した副業を始めることにしました。
副業を始める前に、とある人にいろんな話を聞いてお世話になったので、本当人生って縁ですよね。
とはいえ、四畳半神話大系というアニメに「好機はいつでも貴方の目の前にぶら下がってございます」というセリフがあり、その通りだと思いましたので、がんばってつかんでみました。

3年ぐらい働いた後にフリーランスとして独立(←今ココ)

その後は、平日は家に帰ってから、そして休日も働いていました。
社内の業務を徹底的に効率化して定時帰りできるようにしたり、飲み会とかはほぼ断って副業してました。
で、ある程度のめどが立ったので、会社に入って3年ぐらい(副業始めて2年ぐらい)で独立しました。
そして、いわゆる「海外ノマドワーカー」となったのは、独立してから1~2年ぐらい後の話です。

 

ワーホリ後の就職活動は、基本的に大変なので覚悟が必要

自分語りが長くなりましたね。すみません。
というわけで、上記にも書いた通り、人によってはワーホリの就職には困難が伴います。
下記では、もう少しこの辺りをつっこんで解説します。

「ワーホリ帰り」は基本なめられて見下される

はっきり言うと、ワーホリのイメージは全然良くないです。
「なんか仕事もせずに海外放浪してた人」というのが大体の世間のイメージとして正しいと思います。
なので、シンプルに「ワーホリ行ってました」というと「あ、ワーホリさん?(笑)」と半笑いで言われます。マジで。
なので、就職活動をするときはワーホリという単語をまず出さずに、「留学してました」とかもっと具体的な話をしておいた方が良いです。
というか、ワーホリはあくまでビザなので、何をしていたかの話の方が圧倒的に重要なわけです。
また、これは別にワーホリが良い悪いという話ではなくて、そういう偏見を持たれやすいというだけですので、注意して対応すれば大丈夫です。
間違っても履歴書に「ワーキングホリデー」と書かないようにしましょう。
「語学留学」とかそれらしいことを書いといてください。

ただし、数をこなせばちゃんと自分を見てくれる企業はある

基本なめられるワーホリですが、中にはちゃんと人のことを見ようとする企業もあります。
そして、就職活動は数のゲームですので、とにかくたくさん応募して、そういった企業と巡り会える確率を上げていきましょう。

企業受けの良い「理由」を考えておくことが大事

実際は遊んでいただけでも、企業受けのする「それらしい回答」を用意しておきましょう。
ワーホリ中も頭の片隅に入れておくと良いです。
就職活動なんて茶番で、会社で働いていても茶番ばかりです。
つまりあなたの茶番力が試されているわけです。
思う存分茶番力を鍛えましょう。
※「茶番」の意味は下記書籍で使用しているものです。

TOEICとかのわかりやすい実績も作っておこう

実際のところ、面接官で英語わかる人は少ないので、「英語話せます!」って言っても彼らは判断できません。
なので、TOEICとかでできるだけ良い点数とっておけば、彼らにわかりやすく説明できます。
ちなみに、新卒や第二新卒の場合、ポテンシャルを見ることが多いのでそれほど高くなくても大丈夫です。
例えば、私が大学時代に最初に受けたTOEICの点数は確か300点ぐらいなのですが(笑)、その点数と今と比較して説明すると「少なくとも努力はしているんだな」という印象を与えられます。
当然、レベルにもよりますけれどね!

 

ワーホリに行って良かったこと

見識が広がる

色んな国の人と話すと、自分がいかに井戸の中の蛙だったのかを思い知らされます。
日本語を話す外国人より、英語を話す外国人の方が圧倒的に多いわけで、いわゆる「日本のことはまったく興味のない外国人」との付き合いも出てきます。
そうなると、世界の常識ってこんな感じで動いてるんだなーっていうのも見えてきます。

英語力は伸びた (独学する癖がついた)

まあ、これは上記に書いたのでもう詳しくは説明しませんが、英語を勉強した時の方法を応用すれば、他のことも勉強できます。
下記は英語関連の過去記事です。

現役翻訳者が教える英語学習のモチベーションを5分で上げる方法 - 海外ノマドワーカーな日々

英単語は忘れろ!英語が苦手で苦痛な人に送る単語帳での勉強方法 - 海外ノマドワーカーな日々

英語の勉強は無駄じゃない。現役翻訳者が語る語学学習の必要性 - 海外ノマドワーカーな日々

海外で働くという現実を知った

日本で社畜は嫌だ……せや、海外就職や!」と一時期流行っていましたが、まあ、なんというか良い面悪い面があるということですね。
多くの日本人にとっては日本で働いてた方が圧倒的に楽ですね。
とはいえ、それを知るのはある程度経験がないといけませんよね。。。 

 

 

 

 

余談: ワーホリの現実

最後に、ワーホリで見えてきた辛い現実もご紹介しておきます。

「英語を鍛えたい」と思って来た日本人の半分は、ほとんど上達せずに帰国する

ぶっちゃけると、せいぜい旅行英語程度の人が結構多いです。
なぜか。
答えはシンプルで、勉強しないからです。
英語圏にただ住んで語学学校に行くだけで上達するという幻想があるからです。
そして、出国するまでほとんど勉強していないケースも多いです。
入国する→英語全然話せない!→英語話すの怖い→そのまま日本語で過ごす……結構定番コースですね。
とはいえ、これって日本人に限った話でもないんですけれどね。
なので、留学する前に旅行英語程度は話せるようになっておいた方が良いでしょう。
良いスタートダッシュを決めて、自信を付けておくことで、好循環が生まれます。

ワーホリで人生一発逆転はない

上記に関連しますが、「ワーホリに行って英語ペラペラになって凱旋帰国、人生バラ色や!」というのはまずないです。
人生はちょっとした積み重ねの習慣が複利のように積み重なっていきます。
ただ、環境を変えると習慣は変えやすいので、ワーホリ開始したらそれに合わせて習慣も変えていくのが良いでしょう。

英語にこだわりがないのなら、特に考えずに楽しむのもアリ

とはいえ、「純粋に旅行を楽しみたい!人生のモラトリアムを謳歌したい!」ということであれば何も考えずに楽しみましょう。
ワーホリを利用する人は若い人が多いと思います。
最初に書いたおとり、1年や2年のブランクなんて知れています。
就活するときも、「今しかこういう機会はないわけだから、後悔のないようにしたかった」とか説明すれば理解する会社もあるでしょう。
当然言い方はもっと変えるべきですが……。

 

まとめ

というわけで、意外と語られることの少ないワーホリのその後について説明しました。
半分自叙伝みたいな感じになりましたが……、いやー、今見返すと結構はちゃめちゃですね。
「いろいろ運が良かったんだな」と思うポイントはあるのですが、個人的に思うのは、そういった「蜘蛛の糸」をつかむかどうかっていうのもあります。
ものによってはちぎれてしまうのもあるのですが、まあ、1年や2年程度の海外留学・放浪はそんなリスクないです。
そして、その「リスク」を犯したことがない人が「怖い」と言っているだけです。
少なくとも「父ちゃん、明日からHIP HOPで生きていくんだ」とか「飲食店を開きたい。借金したい」というより遙かにリスクは低いです。
ワーホリの時に知り合った今でも付き合いのある友人も、自分で会社建てたり、普通にサラリーマンしてたりといろいろです。
つまり、何とかしようと動いてたら、何とかなるんですよ。
というか、別にサラリーマンに戻る必要もないですしね。
めっちゃ長くなりましたが、参考になれば幸いです。